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クラウドファンディングの選び方

クラウドファンディングの形態としては、投資対象や投資方法、対価の違い等により様々ですが、主には以下の7種類に区分されます。

CF形態内容対価
寄付型事業者に寄付なし
購入型事業者が開発・提供しようとしている商品・サービスに投資商品・サービス
ファンド投資型事業者と匿名組合契約などの契約を締結して資金提供分配金
商品サービス
株式投資型プラットフォーマーを通じて、非上場企業の株式へ出資キャピタルゲイン
貸付型
(ソーシャルレンディング)
ファンド業者を通じて、間接的に事業者へ融資配当金
(金利収入)
不動産投資型マンション・アパートなどの賃貸不動産などに投資配当金
GCF
(ガバメントクラウドファンディング)
自治体が実施、ふるさと納税の仕組みを活用して投資なし or
商品・サービス

資産運用・投資目的

  • 資産運用、投資目的であり、資産を増やしたい場合は、株式投資型、貸付型、不動産投資型、ファンド投資型になります。
  • なお、ファンド投資型は、資産運用目的というよりは、その事業に対する共感し、その事業から得られる商品・サービス、結果的に売上が予想通り上がったときに得られるのが分配金です。なので、売上が予想通りいかない場合はマイナスになることもあります。

私がセキュリテで支援した「うなぎいも(うなぎの残渣を肥料として育てられているサツマイモ)」では会計期間1年で、「うなぎいも」が段ボール一箱分届き、かつ売上も順調だったため、年率約6%の配当でした。

  • 株式投資型はそのベンチャー企業への共感、ファンド投資型がその事業への共感により、多少貸し倒れても納得感がありますが、貸付型や不動産投資型には共感という要素はほとんどありませんので、実際に予定利回りが達成できるかどうかに支援者の関心は集まりやすいです。
CF形態リターン期間
株式投資型IPOやM&A次第で大きくなる定まっておらず長期化の可能性あり
貸付型年率1~8%程度
(予定利回りは明示)
3~36ヶ月程度
(総じて6~12ヶ月程度が多い)
不動産投資型年率3~5%程度
(予定利回りは明示)
6~18ヶ月程度
ファンド投資型事業の売上状況次第
(別途商品・サービス提供有)
6~24ヶ月程度

新商品・新サービスへの興味

  • まずは購入型が最も適しています。なお、上記のとおり、ファンド投資型もこの分野に当てはまります。
  • 量産化前の様々なプロトタイプの商品や新規に飲食店をオープンするための会員の募集などがあり、感覚としてはECサイトの先行予約で購入するようなイメージです。
  • 購入型は資産運用など金融商品ではないことから、「金融商品取引法」等の制限を受けることがないため、参入障壁が低く、多くの購入型クラウドファンディングのプラットフォーム業者が参入してます。
  • 詳細はこちらをご参照ください 購入型クラウドファンディングとは
CF形態リターン期間
購入型新しい商品・サービス
(但し、下記注意事項参照)
数か月から1年以上かかる場合もあり
ファンド投資型事業の売上状況次第
(別途商品・サービス提供有)
6~24ヶ月程度

以下、購入型の注意事項です。

  1. 海外の輸入商品の場合がある
    ・日本では新しいかもしれませんが、ただ海外で販売しているものを輸入販売しようとしている
  2. プロトタイプの出来がよくない場合がある
    ・実は法的要件をクリアしていないなど試作品の段階で大きな問題あり
  3. 生産が海外に依存しているケースが多い
    ・海外に生産を依拠している場合、生産体制が十分に整っておらず、納期が遅延かつ品質が悪いことがある
  4. 飲食店の閉店リスク
    ・コロナ禍では仕方ないかもしれませんが、1年程度で閉店する飲食店も少なくないです
  5. プラットフォーマーに責任がない
    ・基本的にプラットフォーマーには上記1~4に対する責任はありません
    ・案件に対しては自己責任で見極めることが必要です

寄付

  • 日本では寄付をする文化や機会があまりありませんが、クラウドファンディングでは様々な案件が取り扱われています。
  • 特に自然災害や海外での政情不安に伴う寄付などは多く集まっています。
  • また、ふるさと納税の制度を活用した自治体への寄付も広まっており、返礼品目当てではなく、地元への純粋な寄付の形での活用もいいかと思います。
  • 税法上の寄付金控除の対象にもなるものもありますので、確認が必要です。

個人的には、クラウドファンディングを通じて、自然災害や海外事情(ウクライナ等)、こどもの貧困や教育に関する寄付を行ってます。

CF形態リターン
寄付型なし
GCF
(ガバメントクラウドファンディング)
基本的にはなし
(一部返礼品あり)

どんなクラウドファンディング業者がいいのか?

完全に個人的な見解なので、ご自身で判断いただきたいのですが、自分が注意している点は以下です。

支援者の登録が多いプラットフォームであること

  • やはり支援者が多いプラットフォームには多くの案件が集まってきます
  • 特に、All or Nothing 型の場合、支援者が集まらなければ案件は不成立となります

All or Nothing 型
事業者は、プロジェクトの期間終了日までに目標金額に達した場合のみ、支援金額を受け取れます。
目標金額に到達しなかった場合、支援者に返金されます。

All in 型
事業者は、プロジェクトの期間終了日までに目標金額に達していなくても、その時点の支援金額を受け取れます。
支援者には商品・サービスの支給、予定利回りによる運用は開始されます。

本来そのプロジェクトを成功させるための必要資金であることを考えれば、All or Nothing 型の方が信用性が高いプロジェクトであると言えます。

但し、必ずしも登録者が少ないプラットフォームが悪いわけではありません。ソニーグループが運営している購入型の「First Flight」はソニーグループの個性的な商品を取り扱っており面白いです。

信頼できる株主が運営している

  • 例えば、購入型のMakuakeは上場しており、かつサイバーエージェントが親会社となっています。
  • また、貸付型で問題となったSBIソーシャルレンディングは貸付先に「重大な懸案事項」が生じている可能性があるとして、金融商品取引法違反に該当する行為があった可能性が高いとし、例外的に投資家へ元本相当額の補填をするとして、2021年3月期に最大150億円の特別損失を計上しました。
    もちろん損失補填は金融庁の許可が必要ですが、補填するだけの資金力があるもの親会社がSBIグループだからだと言えます。
  • 一方で、当時貸付型最大手であったmaneoの場合は、グリーンインフラレンディングの損失については投資家に戻る見込みなさそうです。
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